重箱の隅(承前) ――


吉田直紀 『文系のためのめっちゃやさしい 宇宙』 ニュートンプレス

地球がまわっている プトレマイオス
―― 初版 17頁
× プトレマイオス → ○ コペルニクス

図のキャプションが間違い。

そういえば,今見えてる星も,光だけが届いていて,実はもう存在していなかもしれない,っていう話を聞いたことがあります。
―― 同 116頁
× いなかもしれない → ○ いないかもしれない

ただし,今後,宇宙が膨張をつづけときに,ダークエネルギーの密度が本当にまったく変わらないのか,それともわずかに変化するのかは,よくわかっていません。
―― 同 281頁
× つづけときに → ○ つづけたときに


松尾泰 『文系のためのめっちゃやさしい 超ひも理論』 ニュートンプレス

計算によると,クォーク・グルーオン・プラズマは,粘り気がきわめてい小さい,さらさらの流体であることが示されました。
―― 初版 294頁
× きわめてい → ○ きわめて


深緑野分 『分かれ道ノストラダムス』 双葉社

銀蝿が、ぶうん、と羽を震わせ、下駄箱の上に飾ってある写真立てに留まった。
―― 第1刷 3頁
× 銀蝿 → ○ 金蠅

銀蝿という種名の蝿は存在しない。


深緑野分 『戦場のコックたち』 創元推理文庫

こうして、ヨーロッパ戦線の火蓋が切って落とされた。
―― 初版 124頁
× 火蓋が切って落とされた → ○ 火蓋が切られた


田中経一 『一線』 幻冬舎

わかっただけでも、大して高くなかった腕時計が二個と銀行の通帳と印鑑がなくなっていた。
―― 第1刷 11頁
× 印鑑 → ○ 印章

警察だけじゃなく公安も動いているのか。
―― 同 24頁
× 警察 → ○ 刑事

公安は警察の一部だ。

それと同時に全身に放射能も浴びた
―― 同 95頁
朝鮮で核実験をした時に浴びた放射能が原因だったようです。
―― 同 138頁
× 放射能 → ○ 放射線


田中経一 『愛を乞う皿』 幻冬舎

炎天下の中、川で食器を洗っているうち、中島が腹を立て始める。
―― 第1刷 67頁
× 炎天下の中 → ○ 炎天下


田中経一 『龍宮の鍵』 幻冬舎

亀山は、進んで他の従業員とは接してこなかった小麦にとって、初めてホテルで気の置ける相手になった。
―― 第1刷 128頁
× 気の置ける → ○ 気の置けない

実は昨日、マクラーレン局長に電話でさわりだけお伝えしました。すると『それは面白そうだ。明日のショータイムを楽しみにしているよ』とおっしゃいました。
―― 同 319頁
× さわり

「さわり」は一番大事なところの意味。


林真理子 『下級の宴』 毎日出版社

相手が死んだら、なしくずしに借金はパー。
―― 初版 313頁
× なしくずし

「なしくずし」とは借金を少しずつ返済する意味。


pato 『おっさんはニ度死ぬ』 扶桑社

「やよい」まで行ってウンコをするこも考えたが、まず、「やよい」までもつのかという点が心配だ。
―― 初版第1刷 185頁
× するこも → ○ することも

きっと、今日は忘れられない一日にはるはずだ。
―― 同 189頁
× はるはず → ○ なるはず

一瞬、人間が全部パイプ椅子に変えられてしまった魔法の世界、と理解しようしたくらいだ。
―― 同 190頁
× 理解しようした → ○ 理解しようとした

見たたことも聞いたこともないようなおばさんだった。
―― 同 191頁
× 見たたこと → ○ 見たこと


村上龍 『55歳からのハローライフ』 幻冬舎

ちょうどT字路の中心で、周囲がよく見渡せる。
―― 第5刷 91頁
午後四時を回ったころ、福田がT字路の角にやっと現れた。
―― 同 92頁
△ T字路 → ○ 丁字路


東野圭吾 『さまよう刃』 角川文庫

伴崎が一番最後に目撃されたのはファストフード店にいるところだが、その時に一緒にいたのが菅野だということも判明した。
―― 30版 99頁
× 一番最後 → ○ 最後

一番最初はすべての駒が揃っている。
―― 同 202頁
× 一番最初 → ○ 最初


原宏一 『佳代のキッチン』 祥伝社

おれと姉ちゃんがボニー&クライドの子どもだとは思わなかった、と爆笑している。
―― 初版第1刷 125頁
これには和馬も電話の向こうで爆笑していたものだった。
―― 同 285頁
× 爆笑 → ○ 大笑


原宏一 『ヤッさん』 双葉社

実際、お客としていったら一人二万円は下らないらしく、タカオにとっては敷居が天井ほど高い店なのだった。
―― 第1刷 26頁
× 敷居が〜高い

「敷居が高い」は店に入りにくい意味ではないので、誤用。

確信犯だったのだ。彼女は最初からそのつもりでいたのだ。
―― 同 47頁
× 確信犯

「確信犯」は悪いと知っててやる行為ではないので、誤用。

ドアにはハングル文字の小さな貼り紙がしてある。
―― 同 72頁
× ハングル文字

「ハングル」は文字の名なので、重複。

買い物にきた仕入れ人にいつも愛想をふりまきながら伝票を切っている。
―― 同 127頁
× 愛想をふりまき → ○ 愛嬌をふりまき


原宏一 『床下仙人』 祥伝社文庫

結局、姉に言わせれば、企業にいる男は、女をミソっかすっていうか、存在しながら存在しない黒子(くろご)だと思っている
―― 第13刷 146頁
× 黒子(くろご) → ○ 黒衣(くろご


小川糸 『ファミリーツリー』 ポプラ社

ただ、みんなに愛想を振りまくから、番犬にはなれなかったのだけれど。
―― 第1刷 68頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく

もう、墜ちるところまで墜ちてしまえ。僕は自分自身をそう罵っていた。
―― 同 275頁
× 墜ちる → ○ 堕ちる


小川糸 『食堂かたつむり』 ポプラ社

比内地鶏を丸ごと一羽焼酎で煮込んだサムゲタンスープ
―― 第2刷 81頁
下処理をした比内鶏は、すっかり姿を変えて鍋の中のスープでゆらゆらしている。
―― 同 82頁
「比内地鶏」と「比内鶏」のどっちなのか統一せよ。ちなみに「比内鶏」は、国の天然記念物であり、普通は食べません。

私より、よっぽどプロ根性が座っていた。
―― 同 186頁
× 根性が座って → ○ 根性が据わって

骨付きのところは、小麦粉の衣を付けて高温の油で上げ、椒塩排骨という中国風唐揚げになった。
―― 同 212頁
× 油で上げ → ○ 油で揚げ


藤原正彦 『ヒコベエ』 講談社

呆然自失となっていて連絡をすることに考えが及ばなかったのである。
―― 第1刷 14頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失

ギブスをつけたヒコベエは、それから一ヵ月近く入院していた。
―― 同 63頁
ヒコベエのギブスのとれた昭和二十三年の暮に、大学ノート二冊にびっしりと書かれた母の引き揚げ記録が完成した。
―― 同 67頁
× ギブス → ○ ギプス


海堂尊 『夢見る黄金地球儀』 東京創元社

そこで、窓際の三浦主査(当時)がひと言う。
―― 初版 12頁
× ひと言う

「ひと言言う」の間違いか、「ふと言う」の間違いか。

今は外務省の悪名高いODA(国際援助資金)とつるんでアフリカ中に井戸を売りまくっているらしい。
―― 同 22頁
× ODA(国際援助資金) → ○ ODA(政府開発援助)

すると西の雄、浪速大学だが、ここはこてこての商売人、潜水艦を買うくらいなら、水族館にシロナガスオオクジラやジンベイザメでも飼って水族館の収益を上げた方がマシと考えるから、たぶん売れない。
―― 同 35頁
× シロナガスオオクジラ → ○ シロナガスクジラ
△ ジンベイザメ → ○ ジンベエザメ

そして口先三寸で、捜査にやってきた警察官を言いくるめてしまうお前。
―― 同 288頁
× 口先三寸 → ○ 舌先三寸

それから『バッサリ』からNASA(国際宇宙局)へ祝電を打っておけ
―― 同 294頁
× NASA(国際宇宙局) → ○ NASA(アメリカ航空宇宙局)

ODAといい、NASAまでも、わざと間違ってるのか?


海堂尊 『ナイチンゲールの沈黙』 宝島社

「皆さん、アンコールの曲目は当然……」兵藤がマイクを会場に突きつけると、一斉唱和が返る。「證誠寺のタヌキ囃子!」
―― 第3刷 16頁
桜宮大賞受賞曲、『證誠寺のタヌキ囃子』を聴くと、タヌキの着ぐるみ姿の高階病院長が踊りまくる姿が映画みたいに浮かぶんです。
―― 同 230頁
× 證誠寺のタヌキ囃子 → ○ 証城寺の狸囃子

「證誠寺」の伝説がもとになった歌詞だが、曲目としては「証城寺の狸囃子」が正しい。

その結果、聴衆の皆さんの意向を尊重すべきという結論に達し、今回の栄えある授賞となりました。
―― 同 19頁
× 栄えある授賞 → ○ 栄えある受賞

授賞(=賞を授ける)側に「栄えある」を付けてどうする(笑)。

島津が声を荒げる。
―― 同 269頁
島津が声を荒げる。
―― 同 274頁
玉村は声を荒げる。
―― 同 352頁
小夜の後から、権堂主任と内山聖美が息を荒げて追いついてきた。
―― 同 371頁
△ 荒げ → ○ 荒らげ


小川勝己 『この指とまれ』 実業之日本社

そういえば、石川の誕生日は元旦らしい。
―― 初版第1刷 9頁
× 元旦 → ○ 元日

亭主のほうも、女房がほかの男から金を騙し取っていたことや過去のバイトの件を知らなかったから、呆然自失だったって話だ
―― 同 100頁
周囲のみんなが、呆然自失の自分に注目しているのに気づき、我に返った博貴は、うわずった声でそう言った。
―― 同 208頁
呆然自失といった表情だ。
―― 同 357頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失

そのあまりといえばあまりな発言に、今度こそ爆笑しそうになった。
―― 同 194頁
× 爆笑

「爆笑」とは、大勢のひとが笑う意味。


福井晴敏 『川の深さは』 講談社文庫

外からは見えないが、コンソールには警察無線を傍受できるよう、基盤のジャンパ線をカットした無線機が積んであるはずだ。
―― 第14刷 26頁
× 基盤 → ○ 基板

IBMのPCシリーズの端末が置かれている。二年ほど前、OS2という高処理OSに書き換えられたと聞いたが、
―― 同 97頁
× OS2 → ○ OS/2

ようやくウインド画面が立ち上がり、DOSコマンドを選択した保は、フロッピーをディスクドライブにセットし、
―― 同 99頁
× ウインド画面 → ○ ウインドウ画面

画面はちょうどCドライブに挿入されたフロッピーの読み込みを進めているところで、
―― 同 100頁
× Cドライブに挿入されたフロッピー

IBMのPCシリーズではCドライブはハードディスクを指す。以上の間違いから察するに、福井晴敏さんはエレクトロニクス素人?で、「Cドライブにフロッピー」を挿れるってことは、昔のNECパソコンを使っていたな?


池井戸潤 『下町ロケット』 小学館

話し合いの最後に佃が出した条件を、沙那は呑んだ。
―― 第4刷 62頁
でもそんな条件、飲みますかね、あの社長が
―― 同 67頁
条件を「呑む」か「飲む」か、統一されてないね。


池井戸潤 『民王』 ポプラ社

あまりのことにショックを受け呆然自失、言葉が出てこなかっただけのことである。
―― 第1刷 126頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失

翔は思わずひっくりかりそうになって聞いた。
―― 同 345頁
× ひっくりかり → ○ ひっくりかえり


池井戸潤 『鉄の骨』 講談社

業務課への初出社は、五月晴れの空が広がる連休明けの五月十日のことだった。
―― 第1刷 23頁
× 五月晴れ

「五月晴れ」は陰暦五月の梅雨の晴れ間のことだから、五月十日ではちと早い。


五木寛之 『青春の門 挑戦篇』 講談社文庫

あの机の下にある電熱器をテーブルに上にのせて、コンセントをさしこんで
―― 第1刷 320頁
× コンセント → ○ プラグ


梅崎春生 『幻化』 福武書店

五郎は靴を穿き、弁当と瓶を持って立ち上り、防風林の中にふらふらと入って行った。
―― 第1刷 94頁
× 靴を穿き → ○ 靴を履き


樋口有介 『ピース』 中央公論新社

ただのデ・ジャ・ブーじゃねえのかい
―― 初版 159頁
× デ・ジャ・ブー → ○ デジャ・ブー


藤原伊織 『ひまわりの祝祭』 講談社文庫

絶妙な距離でつけたんだ。それで結局、白金(しろがね)まで行った。
―― 第11刷 290頁
× しろがね → ○ しろかね


西村賢太 『暗渠の宿』 新潮文庫

炎天下の中、汗をダラダラ流しつつ探し歩いていったのだが
―― 初版 108頁
× 炎天下の中 → ○ 炎天下


デーブ・スペクター 『いつも心にクールギャグを』 幻冬舎

募金を集めたり被災者を招待したり地域経済にも効果があるはず。
―― 第1刷 114頁
× 募金を集め → ○ 義援金を集め

「募金」は金を募る行いで、「集める」ものではない。「募金を行ったり」とするならOK。


山本文緒 『チェリーブラッサム』 角川文庫

ちょどそこで音比古の部屋に着いた。
―― 初版 133頁
× ちょど → ○ ちょうど

ちょど、って..中国人かっ!


江國香織 『冷静と情熱のあいだ Rosso』 角川書店

二〇〇〇年の五月か。もう二十一世紀だね。
―― 12版 156頁、233頁、248頁
× 二十一世紀

21世紀はもちろん2001年からだ。2000年5月は20世紀だ。色男の決め台詞がこれじゃ台無しだ。


綾辻行人 『十角館の殺人』 講談社文庫

十角館の殺人(じゅっかくかんのさつじん
―― 第31刷 奥付
× じゅっかくかん → ○ じっかくかん

漢字「十」は「じゅっ」とは読まない。すなわちタイトルのルビの間違い。


司馬遼太郎 『北斗の人』 角川文庫

その綺羅星(きらぼし)のごとき剣の名士たちに紹介されたとき、周作ははじめて、(江戸へ来た) という実感とよろこびをもった。
―― 初版 222頁
× 綺羅星(きらぼし) → ○ 綺羅星(きらほし

ルビが間違い。元来「きら、ほしのごとく」が正しいのに、近頃は「きらぼしのごとく」でも許されているようで、嘆かわしい。


司馬遼太郎 『韃靼疾風録(上巻)』 中央公論社

ラオタアに向かって声を荒げると、これだけの大船を、二本の櫓で漕いでどうなる、万里の道をわずか一寸すすむだけではないか、といった。
―― 初版 155頁
△ 荒げる → ○ 荒らげる

昨今は「荒らげる(あららげる)」より「荒げる(あらげる)」が一般的であり、NHKすら話し言葉として「あらげる」を認めているから、誤字として指摘していいかは微妙。


山田風太郎 『あと千回の晩飯』 朝日新聞社

民法のテレビのコマーシャルなどに、そのスポンサーが出演するのは好ましくない。
―― 第3刷 266頁
× 民法 → ○ 民放


山田風太郎 『魔界転生(下巻)』 角川文庫

「……ペアトリス」と、天草四郎がさけんだ。
ペアトリスお銭という。
「ベアトリスが江戸から来たぞ。出てこい」
―― 初版 174頁
「ベアトリス、宗意軒さまの使いの趣きは?」
―― 同 175頁
と、ベアトリスお銭をふりかえり、
―― 同 176頁
× ペアトリス → ○ ベアトリス

「ペ」と「ベ」が統一されてない。キリスト教の洗礼名としてはたぶんベアトリス(Beatrice,Beatriz)のほうが正しいんだと思う。

女ごころと秋の空、か
―― 同 235頁
△ 女ごころと秋の空 → ○ 男ごころと秋の空


真藤順丈 『庵堂三兄弟の聖職』 角川書店

豊島興業の若い衆らしい数人が形相を荒げて、正面玄関に集まっているマスコミをさばいている。
―― 初版 248頁
△ 荒げて → ○ 荒らげて

「あらげる」と「あららげる」はどちらが正しい日本語なのか、難しい問題だ。


服部真澄 『龍の契り』 祥伝社、新潮文庫

家電製品の回路基盤の製品技術を盗み出し、家電のヒット商品なんかも作って・・・・・・
―― 祥伝社 初版 第18刷 114頁
―― 新潮文庫 初版 175頁
× 回路基盤 → ○ 回路基板

ありがちですね。


内海隆一郎 『波多町』 集英社文庫

奥から、女将が愛想をふりまきながら出てきた。
―― 第1刷 108頁
× 愛想をふりまき → ○ 愛嬌をふりまき

カンウターの入口寄りの端に陣どって、ネタのいいものから順に頼んでいった。
―― 同 118頁
× カンウター → ○ カウンター


湯本香樹実 『岸辺の旅』 文藝春秋

電気製品のコンセントをぜんぶ抜いて、冷蔵庫の中身はチョコレートなど持って行けるわずかなもの以外、すべてマンションのごみ置き場に出した。
―― 第1刷 28頁
× コンセント → ○ プラグ

「コンセントを抜く」でも慣用表現として通じちゃいますけどね。


那須田淳 『一億百万光年先に住むウサギ』 理論社

足立先生は、一瞬けげんそうな表情をし、すぐに爆笑した。
―― 初版 14頁
× 爆笑 → ○ 大笑

「爆笑」は大勢が一斉に笑うこと。


那須田淳 『ペーターという名のオオカミ』 小峰書店

なんだあ、おまえこのあたりが地元か。どおりでくわしいと思ったぜ
―― 第1刷 77頁
どおりで、なんとなく空恐ろしい感じがする場所だと思ったよ。
―― 同 81頁
オープン前か……。どおりで、がらんとしているわけだ。
―― 同 93頁
なんだ、ここ滑走路だったのかよ、どおりで、見晴らしがいいわけだ
―― 同 112頁
× どおりで → ○ どうりで

チョコをひとつもらって、さっそく口にほおりこむ。
―― 同 78頁
× ほおりこむ → ○ ほうりこむ

カフェとかコーヒースタンドは、学生たちで混み合っていた。もっとも十四歳のぼくらにしてみれば、そういう店はちょっと敷居が高い。
―― 同 112頁
× 敷居が高い → ○ ハードルが高い

「敷居が高い」は、不義理や面目ないことがあって、或る人の家に行きにくいこと。

おさげ髪のバイトの女の子が二台のクレープバンを使って手際よく焼いている
―― 同 112頁
× クレープバン → ○ クレープパン

もしかして「クレープバン」という、わたしの識らない調理器具があるのだったら、ごめんなさい。

やっばり、こういうのも勉強家というのだろうか。
―― 同 118頁
× やっばり → ○ やっぱり

「あ、おはよう、お腹のぐあいはどうだね?」「ええ、もうすっかり直りました」
―― 同 182頁
× 直りました → ○ 治りました

黒髪、痩身で、目の色はやや青みかがった黒とのこと
―― 同 190頁
× 青みかがった → ○ 青みがかった

マックスの口調がはちょっとよどんだのはなぜだろう。
―― 同 218頁
× 口調がは → ○ 口調が

親友だった兄貴まで売り飛ばした。そういうやつはゆるせえねえ
―― 同 260頁
× ゆるせえねえ → ○ ゆるせねえ

だから、パソコンは内臓電池で動かすしかない。
―― 同 269頁
× 内臓電池 → ○ 内蔵電池

あのさ、これ、そっちからひっばりあげてくんないかな
―― 同 275頁
× ひっばり → ○ ひっぱり

チケット式であったり、募金をつのるものであったり、無料であったりと形式はさまざまだが
―― 同 335頁
× 募金をつのる → ○ 寄付をつのる

「寄付」を「募る」ことを日本語で「募金」という。「募金」はつのるものじゃない。

いつまにか工事現場の多いドレスデン郊外をぬけて、まわりは農村地帯に変わっていた。
―― 同 340頁
× いつまにか → ○ いつのまにか

坂を下りきったところがT字路で、その先の空き地に大勢の人々が集まっていた。
T字路で小林先生は、車を急停車させる。
―― 同 354頁
× T字路 → ○ 丁字路


永嶋恵美 『一週間のしごと』 東京創元社

基盤部分をサーフボードに見立てただけなら許してもいい。
―― 初版 236頁
× 基盤 → ○ 基板

誰かが来てくれても、この連中が居留守を使えば意味がない。上体を起こし、全身を床に叩きつける。居留守でないことに気づいて欲しかった。
―― 同 316頁
× 居留守でないこと → ○ 居留守であること


杉本苑子 『滝沢馬琴』 中央公論社

お路がしまいには、五里霧中の困惑の中に迷い込んで、呆然自失してしまうのも無理からぬことだった。
―― 初版 389頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


阿佐田哲也 『麻雀放浪記4』 文春文庫

じゃァ駄目だな。娘の相手には役不足だわ―
―― 第1刷 166頁
× 役不足 → ○ 力不足

とてもわかりやすい「役不足」の誤用を、ありがとうござんす。

このバターンは例外をのぞいて毎局きまっていて、そのためドサ健は、クズ牌も振れず、筋も打てない。
―― 同 320頁
× バターン → ○ パターン


子母沢寛 『勝海舟 第三巻・長州征伐』 新潮文庫

醜いその姿を見て、まるで自分が無間(むげん)地獄の真っ只中へ投げ込まれたような
―― 第56刷 520頁
× 無間(むげん)地獄 → ○ 無間(むけん)地獄


子母沢寛 『勝海舟 第一巻・黒船渡来』 新潮文庫

四五十もの捕方が手に手に十手(じゅって)をかざして、この寺を取囲んだという。
―― 第60刷 385頁
× 十手(じゅって) → ○ 十手(じって

と、鱗太郎は、強く制して、「痩せたじゃあねえか」と低い声でいった。
―― 同 503頁
× 鱗太郎 → ○ 麟太郎

勝海舟の名はもちろん「麟太郎」だ。なぜかこの一箇所だけ「鱗」に間違ってる。


黒岩涙香 『巖窟王(上巻)』 はる書房

彼はやつと檢事補の「補」の字だけを取除くこが出來て、末席ながらもたゞの檢事となり、任所もツーロンといふところへ移された。
―― 初版第1刷 101頁
× 取り除くこ → ○ 取除くこと

その方は大層穩和になつたなあ、この牢番を床几で叩き殺さうとした頃はこのやうではなかなつたが。
―― 同 108頁
× なかなつた → ○ なかつた

その助けられた當人が即ち斯く申す武之助(けのすけ)です。
―― 同 393頁
× 武之助(けのすけ) → ○ 武之助(たけのすけ

ルビ間違い。


矢野隆 『蛇衆』 集英社

「ぼやぼやしていたら死ぬぞ」朽縄が檄を飛ばす。
―― 第1刷 80頁
× 檄を飛ばす

誤用。

鷲尾家の者達について語る朽縄の言葉に、皆は小さな違和感を感じた。
―― 同 181頁
× 違和感を感じ

重複表現。素人なら兎も角、言葉のプロである作家がこういうアホっぽい表現はしないで欲しい。

わずか数人に敗走させられたとあっては、ここで生き伸びても、武士としての面目は保てない。
―― 同 304頁
× 生き伸び → ○ 生き延び


三田誠広 『アインシュタインの謎を解く』 ネスコ

また赤い光より波長が長くなると、やはり目に見えない赤外線と呼ばれるものになり、遠赤外線、マイクロ・ウエーヴ、ラジオ派、などと呼ばれるものになります。
―― 第1刷 101頁
× ラジオ派 → ○ ラジオ波

例えばいま、西武ライオンズのチームが、明日の近鉄バッファローズとの試合に備えて、新幹線で移動をしている。
―― 同 108頁
× 近鉄バッファローズ → ○ 近鉄バファローズ

固有名詞(チーム名)は正確にね。


きむらゆういち 『小説 あらしのよるに』 小学館

タプはわたしがどんな友だちと会ってるのか確かめにたいんだ
―― 初版 第1刷 71頁
× 確かめにたい → ○ 確かめたい

メイの足は意外と早い。(中略)メイって意外に足が早いでやんすね(中略)オイラのようなオオカミから逃げるためには足が早くないといけないんでやんすよね
―― 同 112頁
× 足が早い → ○ 足が速い

ソヨソヨ峠は、前にガブがタプがはちあわせをしてしまった場所だけれど
―― 同 118頁
× ガブがタプが → ○ ガブとタプが


小林英樹 『ゴッホの遺言』 情報センター出版局

陰影のない色面、押さえられた中間色やわずかに補色の混ざった鮮やかな原色系の色
―― 第1刷 74頁
× 押さえられた → ○ 抑えられた

「寝室」の一年後の一八八九年に描かれたオルセイ美術館にあるれレプリカの「寝室」を一八八八年作として載せ、その隣のページにこのスケッチを載せているのである。
―― 同 92頁
× あるれレプリカ → ○ あるレプリカ

スケッチの最初の段階で当たりをつけるはずの破線がこここでは逆転して見え、スケッチが仕上がった後に引かれているようにさえ見える。
―― 同 109頁
× こここでは → ○ ここでは

そしてわたしくしたちにも食べるように言うのだった。
―― 同 204頁
× わたしくし → ○ わたくし

それを感じ取る感性を欠落させているしか思えない。
―― 同 332頁
× いるしか → ○ いるとしか


青木奈緒 『くるみ街道』 講談社

ギムナジウムを出たての青二才は親がかりで学生寮に越してきて、部屋にはすぐさままっさらな絨緞がひかれた。
―― 第1刷 21頁
× ひかれた → ○ しかれた

絨緞を「引く」でも、まあ、間違いではねえか?青木奈緒は江戸っ子だしのお。

単純に日本の人口を考えただけでも、一億二千万分の一の確立となり
―― 同 243頁
× 確立 → ○ 確率

いつもお日様を見方につけて陽気に笑っているに違いない。
―― 同 244頁
× 見方 → ○ 味方


ウイリアム・アイリッシュ 『暗闇へのワルツ』 ハヤカワ・ポケット・ミステリ

これは詐欺にはならんということです。結婚詐欺にはなんらのです
―― 4版 110頁
× なんらのです → ○ ならんのです


ヒュー・ロフティング 『ドリトル先生の郵便局』 岩波少年文庫

そこで、わわれのサナトリウムはおしまいとなった。
―― 第27刷 175頁
× わわれ → ○ われわれ


ヒュー・ロフティング 『ドリトル先生航海記』 岩波少年文庫

万事、窮すだ!もう負けた!
―― 第18刷 302頁
× 窮す → ○ 休す


フィリップ・K・ディック 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 ハヤカワ文庫

「家内に映話してもいいですか?」
「英話は一回だけという制限だ。奥さんより、弁護士にかけたほうがよくはないか?」
―― 第37刷 146頁
× 英話 → ○ 映話

この小説中、「映話」はいわゆるテレビ電話のこと。二行目の「英話」はあきらかな誤植。


トーベ・ヤンソン 『ムーミンパパ海へいく』 講談社文庫

「なんでもないさ」と、ムー ミントロールがこたえたので、話の糸口はだめになってしまいました。
―― 第31刷 168頁
× ムー ミントロール → ○ ムーミントロール

「ムー」と「ミントロール」の間が空いているのはなんでだろう。不思議だ不思議だ。


アガサ・クリスティー 『蒼ざめた馬』 ハヤカワ文庫

小柄なきちんとしたタイプの薬剤士、古風で、相当変り者でもあり、人間の顔を見おぼえる才能がある。
―― 第25刷 125頁
だが、オズボーンという名前の、現場近くに店を持っている薬剤士がいた。
―― 同 132頁
× 薬剤士 → ○ 薬剤師


アガサ・クリスティー 『ゴルフ場殺人事件』 ハヤカワ・クリスティー文庫

と、急に、呆然自失といった表情になって、「これは、どうしたことだ!」と叫んだ。
―― 第5刷 80頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


ジョイ・アダムソン 『ジョイ・アダムソンのアフリカ博物誌』 どうぶつ社

旅行中、私はひとりほおっておかれたが、それがよかった。
―― 15頁
モデルの多くは、それまでに私のようなヨーロッパの女に、それほどま近く坐り、しかもそんなに長時間ほおっておかれたことがなかった。
―― 58頁
× ほおっておかれた → ○ ほうっておかれた

ハイラックスはその臼歯のゆえに有蹄類という大きなグループ、つまりひずめをもつ動物に属すように分類される。
従って、ハイラックスの足指は小さなひずめを思わせる幅の広い爪で武装されている。
―― 67頁
× ひずめ → ○ ひづめ

三日のあいだ、私はインパラがすぐに元気になるだろと思っていた。
―― 86頁
× なるだろ → ○ なるだろう

オリックスからユニコーン(一角獣)の伝説が生まれたというのもなるほどとうなづける。
―― 88頁
× うなづける → ○ うなずける

エルザにせよピッパにせよ、自分の前足を私の手にあづける時、その足はいかにも私に対する信頼に満ちていた。
―― 100頁
× あづける → ○ あずける

なんだかこの本の訳者さん(藤原英司)、日本語能力が低いな。


ジョイ・アダムソン 『森のともだち サルとミミズク』 佑学社

一九七六年一月元旦に、ショートテイルが弱よわしい声ではあったが、ほえようとしている声がきこえた。
―― 第1刷 49頁
× 一月元旦

重複表現。

鳥類学者のレスリー・ブラウンは、国連の食料農業機関からたのまれて、ナイバシャ湖のそばにすんでいる鳥をぜんぶ調べたことがある。
―― 同 74頁
× 食料農業機関 → ○ 食糧農業機関


ジョイ・アダムソン 『草原の女王ペニー』 文藝春秋

ただ一つ残念だったのは、シャペンが一本しかないことだった。
―― 第1刷 59頁
× シャペン → ○ シャンペン

ジェームズはキャンプ地の石をできるだけとり除いておいたが、もう一つのやっかいな物――あカシアの木はどうしようもなかった。
―― 同 60頁
× あカシア → ○ アカシア


ジョイ・アダムソン 『野生のエルザ 改訂新版』 文藝春秋

当然、私は彼ととともに出かけた。
―― 第1刷 249頁
× とととも → ○ ととも

針飛びしたレコードかと思いました。と..ととも..


マーク・トウェイン 『ハックルベリイ・フィンの冒険』 新潮文庫

僕らはカイロのことを話し、そこにきたときわかるだろうかと心もとながった。
―― 第66刷 133頁
× ながった → ○ なかった

66刷もしている文庫本で誤植を見付けたぜ。いえ〜い。


ジェイムズ・P・ホーガン 『創世記機械』 創元推理文庫

だが、こうしたものよりさらに気持よのいは、針金のフェンスも武装した衛兵もいないことだった。
―― 13版 133頁
× 気持よのいは → ○ 気持よいのは


ジェイムズ・P・ホーガン 『仮想空間計画』 創元SF文庫

パインダーがDINS研究所に現れて、愛想をふりまき、彼らしくなく一般的な進行状況についてたずねたとき、エリック・シプリィは何か異常なことが起きていることを感じた。
―― 初版 241頁
× 愛想をふりまき → ○ 愛嬌をふりまき




さらに続きます