アンディ・ウィアー ――


『火星の人(上・下)』 訳:小野田和子 ハヤカワ文庫 (計:631P \1280)
★★★☆☆

 映画『オデッセイ』の原作。表紙のマット・デイモンの顔ドアップが暑苦しい。しかしSFエンタメとしては間違いなく面白い。時間と体力さえあれば上下巻ノンストップで読んでしまうだろう。オタクを自称するアンディ・ウィアーくんの、宇宙工学のカルト知識とアイデアが凄い。知らないカタカナ語が頻出するので、訳注があると嬉しかった。いちいちスマホで調べながら読んだ。しかし実際どうなんでしょうな。生存が絶望的な状況でこうも陽気な人間は存在するのだろうか。もうちょっと真面目に苦悩して欲しかった。けどワトニーがNASAに、おっぱいの絵文字(.Y.) を送ったのは大笑いしたよ。


『アルテミス(上・下)』 訳:小野田和子 ハヤカワ文庫 (計:561P \1280)
★☆☆☆☆

 まず早川書房に言いたいことは、たいして厚くない本なのに上下分冊する、阿漕な商売すな。デビュー作『火星の人』が素晴らしかっただけに、2作目にしてずいぶんな内容劣化に驚いた。これはラノベですか?女主人公の一人称語りが完全にアニメ的な軽さで、萎えた。キャッツ・アイかダーティペアかよ。子供っぽい内容のくせに品のない下ネタが多くてたえらんない。上巻はストーリーが動かず退屈だし、下巻は逆にごたごたしてて、なんだかわからない。