重箱の隅 ――

書籍で見付けた誤字・脱字・誤用など校正漏れを小舅のように指摘する性格悪いコーナー。
作家さんを責めるつもりはないけど、校正屋さんは責めたい。ちゃんと仕事しろ。


中山祐次郎 『俺たちは神じゃない』 新潮文庫

ある者は痛み、ある者は熱にうなされ、またある者は命を終えようとしている。
―― 初版 102頁
× 熱にうなされ → ○ 熱に浮かされ


奥田英朗 『普天を我が手に 第二部』 講談社

ある組は細い電線のコイル巻き作業を、ある組は基盤のハンダ付け作業をひたすら続ける。
―― 第1刷 181頁
× 基盤 → ○ 基板


奥田英朗 『ナオミとカナコ』 幻冬舎

奥様がお探しのワイングラスはこちらになります。
―― 第1刷 13頁
これは秋山崇徳作の引出黒茶碗で、ご存じかもしれませんが、岡山の無形文化財保持者の先生の作品になります。
―― 同 115頁
× になります → ○ でございます

科白を発したのは百貨店の外商部員。すなわち接客のプロ中のプロがこんな間違った敬語を遣っては駄目。


奥田英朗 『田舎でロックンロール』 角川書店

商業主義などクソ食らえ、才能より心意気というわけで、敷居の低さから真似をする若者が続出した。
―― 初版 110頁
ティーンエイジャーにはけっしてわかりやすい音楽ではないし、延々と続くインプロヴィゼイションは敷居が高い部類に入るのだが、
―― 同 154頁
グラビアのない活字ばかりの誌面はいかにも敷居が高く、買うまでには至らなかった。
―― 同 183頁
× 敷居 → ○ ハードル


奥田英朗 『噂の女』 新潮社

美幸は金村土建のテーブルでも愛想を振りまき、からかわれても余裕でかわしていた。
―― 初版 66頁
ひと通りの愛想を振りまき、ほかのテーブルへと去っていく。
―― 同 207頁
× 愛想を振りまき → ○ 愛嬌を振りまき


奥田英朗 『純平、考え直せ』 光文社

あらためてその玄関を見ると、二十一歳の自分が入るにはあまりに敷居の高いたたずまいだった。
―― 初版第1刷 94頁
× 敷居の高い → ○ ハードルの高い

縄張りでないし、大学出が小難しいことを議論していそうな印象があり、逆の意味で敷居が高かった。
―― 同 133頁
× 敷居が高かった → ○ ハードルが高かった

歌舞伎町とは道を挟んだ隣同士だが、純平には敷居が高くて、近づこうという気も起きなかった。
―― 同 145頁
× 敷居が高くて → ○ ハードルが高くて

西口の高層ビル街は、エリートビジネスマンとOLの街という印象があり、純平には敷居が高かった。
―― 同 153頁
× 敷居が高かった → ○ ハードルが高かった

まったく敷居の高い場所だらけだ。
―― 同 153頁
× 敷居の高い → ○ ハードルの高い

まったく「敷居が高い」の誤用だらけだ。


奥田英朗 『無理』 文藝春秋

メンバーの大半が専業主婦という縛りのなさから、朝な夕な、駅前で署名と募金を集めているのである。
―― 第1刷 319頁
× 募金 → ○ 寄付金

「募金」は金を募る行為のこと。募金に対して払われる金は「寄付」。

やはり確信犯だったか。自分が何をしているか、ちゃんとわかっている。
―― 同 400頁
× 確信犯

誤用。


奥田英朗 『オリンピックの身代金』 角川書店

警察がどのくらいの時間で検問を敷けるのか知らないので、タクシーという選択は賭()けだった。
―― 再版 425頁
× 賭()け → ○ 賭()け

ルビ間違い。


早見和真 『イノセント・デイズ』 新潮文庫

理子は条件反射的に愛想を振りまいた。
―― 14刷 113頁
美香という女も愛想を振りまくわけでもなく、「はじめまして」と、気怠そうな口調で言う。
―― 同 219頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


レイ・ブラッドベリ 『華氏451度』 ハヤカワ文庫

その夜の空にはいよいよ戦の火蓋が切って落とされそうな気配が漂っていた。
―― 4刷 154頁
× 切って落とされ → ○ 切られ


中嶋彰 『現代素粒子物語』 ブルーバックス

彼が論文の投稿先として選んだのはさほど敷居が高くない欧州のフィジックス・レターズだった。
―― 第1刷 90頁
× 敷居 → ○ ハードル

ヒッグス粒子を「文楽人形の黒子」に喩える場合もある。
―― 同 106頁
× 黒子 → ○ 黒衣


ポール・ギャリコ 『ミセス・ハリス、モスクワへ行く』 角川文庫

たちまち、バイオレットとエイダとの間に、はげしいたたかいの火ぶたが切って落とされ、
―― 初版 43頁
× 火ぶたが切って落とされ → ○ 火ぶたが切られ


東山彰良 『さようなら、ギャングランド』 光文社文庫

痩せこけ、ズタ袋のように皺だらけの面に往生際の悪い髭を生やし、売られてゆくロバみたいに歯を診られているサダム・フセイン。
―― 初版1刷 265頁
× ズタ袋 → ○ ズダ袋


東山彰良 『イッツ・オンリー・ロックンロール』 光文社

「こんにちわぁ!」甲本ゆいが愛想をふりまいた。
―― 初版1刷 198頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


野尻抱影 『星座の話』 偕成社

つぎに、この星座でもっともゆうめなのは、ヘルクレス座大星団として知られているM13で、
―― 改訂2版31刷 99頁
× ゆうめ → ○ ゆうめい


久坂部羊 『絵馬と脅迫状』 幻冬舎

広子にも名刺を渡して愛想を振りまいたが、広子は不機嫌な顔を崩さなかった。
―― 第1刷 255頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


久坂部羊 『老父よ、帰れ』 朝日新聞出版

まあ、認知症はだれしも他人事(たにんごと)ではないですからな。
―― 第1刷 171頁
× たにんごと → ○ ひとごと


久坂部羊 『院長選挙』 幻冬舎

黒子姿の医師が両側から勢いよく持ち上げると、骨は空中で宇宙船の着ぐるみに早変わりした。
―― 第1刷 105頁
黒子姿の二人が作り物の米俵を重そうに運んでくる。
拍手が起こると、黒子が片手でさっさと片づけ、全員がコケる。
―― 同 106頁
× 黒子 → ○ 黒衣

徳富先生なんか、しょっちゅう検査部に来て、奥歯剥き出しのニタニタ笑いで愛想を振りまいていくぞ
―― 同 234頁
四人の副院長は、基礎医学の教授を取り込もうと、それぞれに愛想を振りまいている。 ―― 同 265頁
× 愛想を振りまいて → ○ 愛嬌を振りまいて


久坂部羊 『いつか、あなたも』 実業之日本社

呆然自失の体で、悲しみも麻痺してしまったようだ。
―― 初版第1刷 24頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


久坂部羊 『神の手(上巻)』 幻冬舎文庫

去年の十月、先生の患者さんが亡くなられて、警察が安楽死の疑いで取り調べをしましたたね。
―― 初版 174頁
× しましたたね → ○ しましたね


久坂部羊 『神の手(下巻)』 幻冬舎文庫

何ものにも代えがた喜びであります
―― 初版 153頁
× 代えがた → ○ 代えがたい


久坂部羊 『テロリストの処方』 集英社

狩野は三年前、弱冠四十歳で全医機の常任理事に抜擢された。
―― 第1刷 8頁
× 弱冠四十歳

常に狩野を立て、ときには鼓舞し、自らは黒子に徹してきたはずだ。
―― 同 215頁
× 黒子 → ○ 黒衣

島の東端に近いT字路を空港とは逆の左へ曲がる。
―― 同 224頁
× T字路 → ○ 丁字路


久坂部羊 『老乱』 朝日新聞出版

やり方はネットの記事やYou Tubeの動画で覚えたようだ。
―― 第1刷 313頁
× You Tube → ○ YouTube


久坂部羊 『破裂(下巻)』 幻冬舎文庫

香村がいつになく上機嫌で愛想を振りまいた。
―― 7版 369頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


久坂部羊 『無痛』 幻冬舎文庫

T字路の工事のため、誘導に三人、作業場の安全確保に一人である。
―― 4版 134頁
× T字路 → ○ 丁字路

すでに港区の白金(しろがね)で工事がはじまっています。
―― 同 194頁
× しろがね → ○ しろかね


久坂部羊 『虚栄』 角川書店

赤崎は迷った挙げ句、研究のさわりだけ話すことにした。
―― 初版 37頁
× さわり → ○ 導入部

目を伏せてUSBを差し出す。
―― 同 71頁
× USB → ○ USBメモリー

「コンセントを抜く」と似たような誤用だと思う。


荒木源 『タクシードライバー美食日誌』 角川文庫

結局のところ、口先三寸の器用さを身に付けるのは無理だったのだ。
―― 初版 20頁
× 口先三寸 → ○ 舌先三寸


荒木源 『残業禁止』 角川文庫

成瀬はまた声を荒げてしまった。
―― 初版 50頁
高塚相手だったら誰だって声を荒げたくなる。
―― 同 67頁
泉も声を大きくし、荒げた。
―― 同 285頁
× 荒げ → ○ 荒らげ


荒木源 『御苑に近き学び舎に』 京都新聞出版センター

府は間髪をおかず、府民に向けた声明「告諭大意」を作り、町組から改められたばかりの番組に配った。
―― 初版 55頁
× 間髪をおかず → ○ 間をおかず

間髪置かず槇村は、洛中すべての年寄、議事者は二十日に府庁に参集すべしという触れを出した。
―― 同 107頁
× 間髪置かず → ○ 間髪容れず

憤懣やる方なくなってきて、今度泰七郎は調子を荒げた。
―― 同 114頁
× 荒げた → ○ 荒らげた


荒木源 『早期退職』 角川文庫

将来のエース候補と思っている神谷淳一が「玲奈ちゃんはしょうがないですよ」と苦笑していた時は、<怒れよ>とそちらに声を荒げたくなった。
―― 再版 110頁
語気を荒げて辻本はソファに戻った。
―― 同 156頁
タクシーの運転手が聞き耳を立てているのを意識しながら、辻本はいっそう声を荒げて罵倒した。
―― 同 229頁
× 荒げ → ○ 荒らげ


荻原浩 『我らが緑の大地』 KADOKAWA

三井さんは、部外者に愛想を振りまくのが苦手だから、言いわけをつくって研究室にこもっているんだと思う。
―― 初版 6頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


荻原浩 『それでも空は青い』 KADOKAWA

妻にした女にはもう無駄に愛想を振りまかない、優しくしてもしょうがない
―― 初版 98頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


荻原浩 『極小農園日記』 毎日新聞出版

1964年の東京は、物心がついて初めて観たオリンピックだ。(略)裸足で走るアベベ選手が金メダル。
―― 初版 227頁
× 裸足で走るアベベ

アベベが裸足で走ったのはローマオリンピック。東京ではシューズを履いていた。


荻原浩 『海の見える理髪店』 集英社

いままでのお客さんには敷居が高すぎると敬遠されましたが、新しいお客さまが来てくれるようになりました。
―― 第1刷 28頁
× 敷居が高すぎる → ○ ハードルが高すぎる


荻原浩 『花のさくら通り』 集英社

中学生に愛想を振りまき、頭を下げて、手にした報酬はたった五十円。
―― 第1刷 233頁
守が自己ベストに違いないお愛想をふりまいても、女は無視し続ける。
―― 同 299頁
そに住む父親たちはひとかどの会社に勤めるホワイトカラーで、誰かれなしに愛想を振りまいたりはしない。
―― 同 352頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく


荻原浩 『幸せになる百通りの方法』 文藝春秋

「どうしたもんかなぁ。煮詰まっているのだよ。昨夜の筑前煮のように」
アイデアに苦しんでいる?
―― 第1刷 110頁
× 煮詰まっている

「煮詰まる」はアイデアがまとまっている意味。


荻原浩 『砂の王国(下巻)』 講談社

こうして内部を覗かせ、あたりさわりのない説明をし、精一杯の愛想を振りまいたのだ。
―― 第1刷 21頁
× 愛想を振りまいた → ○ 愛嬌を振りまいた

間髪(かんぱつ)入れずに木島が相槌を打つ。
―― 同 26頁
× かんぱつ → ○ かんはつ

ルビが間違い。

道の先は、T字路。
―― 同 367頁
△ T字路 → ○ 丁字路

拳で太ももを叩いて、両足に喝を入れる。
―― 同 378頁
× 喝を入れる → ○ 活を入れる


荻原浩 『ひまわり事件』 文藝春秋

おざなりの安全対策のための囲いには、どこかしらに抜け穴があるものなんだ。
―― 第1刷 6頁
× 安全対策 → ○ 安全策

安全を対策してはいけないと思う。

たぶん、愛想を振りまくのが苦手なのだろう。
―― 同 197頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく

物騒だもの。とりあえずのセキュリティ対策ね
―― 同 249頁
× セキュリティ対策 → ○ セキュリティ

泥棒さん以外はセキュリティを対策してはいけないと思う。

誠次は用具室へ行き、片岡さんが用意した消化器をありったけ運び出す。
―― 同 468頁
バルコニーの手前の廊下に消化器を並べた。
こいつを用意したのは消化のためではなく武器として使うためだろう。
―― 同 469頁
消化器の一本を手にして身構えた。
―― 同 472頁
× 消化器 → ○ 消火器

消化器を武器にするとはなんとグロテスクな。ゾンビかよ。


荻原浩 『僕たちの戦争』 双葉社

つけっぱなしのカーラジオが、台風は関東地方を通過したものの、依然として津波に対する注意が必要だと伝えている。
―― 第1刷 3頁
× 津波 → ○ 高波

津波は、地震によって起こる波。台風のあとにくるのは、高波。


中村文則 『教団X』 集英社文庫

高原は思わず声を荒げる。
―― 第4刷 282頁
取材規制のロープの前で、スーツを着たレポーターの男が声を荒げている。
―― 同 370頁
デパートの中の膨大な人ゴミの中で、警官達が声を荒げる。
―― 同 507頁
× 荒げ → ○ 荒らげ

彼らがブロックの壁を正面にしたT字路を左に曲がり、植え込みの目立つ民家の前を通り過ぎ、電信柱の立つ角を右に曲がる。
―― 同 292頁
× T字路 → ○ 丁字路


中村文則 『掏摸』 河出書房新社

傾いた道路標識の角を曲がり、階段の錆びた工場の脇を歩き、長屋の連なりの先の、T字路を左に曲がった。
―― 初版 17頁
× T字路 → ○ 丁字路

一般的には「T字路(てぃーじろ)」かも知らんが、あくまで正式名称は「丁字路(ていじろ)」。

アタッシュケースがテーブルに置かれ、細い男は頭を下げて出ていった。男はアタッシュケースを開け、中から写真と、いくつかの書類を出した。
―― 同 116頁
男は書類と写真をアタッシュケースに入れ、テーブルの上で僕の前に移動させた。
―― 同 118頁
× アタッシュケース → ○ アタッシェケース

あくまで正式名は「アタッシェケース」。


逢坂剛 『ブラック・ムーン』 中公文庫

おれと戦うだけの力は、取りもどしたずだ
―― 初版 166頁
× ずだ → ○ はずだ


逢坂剛 『果てしなき追跡』 中央公論新社

グリロアは、二十二歳で結婚して所帯を持ったが、四年とたたぬうちに流行病で、連れ合いを失った。
―― 初版 185頁
グリロアが、さりげなく言う。
グリロアは、うなずいた。
―― 同 224頁
これまで、グリロアはそうしたことについて、一度も問いただそうとしなかったのだ。
バーバラと、グリロアが言ったことを通弁すると、隼人はほとんど表情を変えずに、うなずいた。
―― 同 225頁
グリロアにならって、バーバラもその大きな体で、隼人を抱きかかえた。
―― 同 264頁
× グリロア → ○ グロリア


逢坂剛 『燃える地の果てに』 文藝春秋

わたしは、それをさらに十年間延長してもらうおうと、アメリカ大使館にかけ合ってきたのです
―― 第1刷 553頁
× もらうおう → ○ もらおう


F・W・クロフツ 『ホッグズ・バックの怪事件』 創元推理文庫

電話がもう十分早かったら、ジュームズが車で彼女をギルフォードまで送ってくれたのにと言った。
―― 4版 30頁
ジュームズ・アールであることは一点の疑いもなかった。
―― 同 31頁
× ジュームズ → ○ ジェームズ


辻真先 『命みじかし恋せよ乙女』 東京創元社

上手の掛け小屋、下手の道標を、黒子が手際よく袖に搬出していった。
―― 初版 194頁
× 黒子 → ○ 黒衣


小泉喜美子 『殺人はお好き?』 徳間文庫

ぼくんところは大事な同僚をあんな目にあわされて怒り心頭に達してるんですぜ
―― 初版 32頁
× 怒り心頭に達し → ○ 怒り心頭に発し


M・W・クレイヴン 『ボタニストの殺人(上)』 ハヤカワ・ミステリ文庫

長くいることになるかはっきりしていないめ、セッティングしたのはブラッドショーではない。
―― 初版 123頁
× していないめ → ○ していないため


M・W・クレイヴン 『キュレーターの殺人』 ハヤカワ・ミステリ文庫

シルクスクリーン印刷の転写をした業者の線を追うのはほぼ不可能だと言ったのは覚えるかな?
―― 3刷 204頁
× 覚えるかな → ○ 覚えてるかな


ジェイムズ・ヒルトン 『学校の殺人』 創元推理文庫

まあ、これも僕みないな男の示すずるさというもんだがね。
―― 22版 118頁
× 僕みない → ○ 僕みたい

いうまでもなく、なぜオーキーグトンが彼を迎えたか、君も知ってるだろう?
―― 同 131頁
× オーキーグトン → ○ オーキングトン

わざわざそんな手間をいとわなかったも、夫人を教育するつもりだったからだ
―― 同 266頁
× いとわなかったも → ○ いとわなかったのも

お連れさんからちょだいしました。
―― 同 327頁
× ちょだい → ○ ちょうだい


ジェイムズ・ヒルトン 『チップス先生、さようなら』 新潮文庫

チップスの百八十度の豹変ぶりに学校当局も足もとをすくわれたようになって、
―― 初版 44頁
× 足もとをすくわれた → ○ 足をすくわれた


原田ひ香 『古本食堂』 ハルキ文庫

あたしはここまで興奮してしまった分、なんだか足下をすくわれたようで、ぽかんとしてしまう。
―― 第5刷 297頁
× 足下をすくわれた → ○ 足をすくわれた


トム・ゴドウィン 『宇宙のサバイバル戦争』 岩崎書店

降伏した場合は、おまえたち全員をアシ―ナにつれていく。
―― 第1刷 232頁
おまえたちはなるほど、地球とアシ―ナは、われわれの手からうばうかもしれない。
―― 同 233頁
× アシ―ナ → ○ アシーナ

長音記号とダッシュを間違えている珍しいケース。


池上永一 『海神の島』 中央公論新社

彼らは黒子に徹するが、そこで手を抜かない。
―― 初版 49頁
× 黒子 → ○ 黒衣

泉の探しているミッション・コンピューターは、一枚の基盤に纏められているはずだ。
―― 同 385頁
× 基盤 → ○ 基板


新庄耕 『地面師たち ファイナル・ベッツ』 集英社

サラクの度重なる要請に困惑していた地上係員の一人が、ふたたび無線でどこかへ連絡を入れたとき、タラップからスーツ姿の男性が下りてきた。
―― 第1刷 286頁
× サラク → ○ サクラ


新庄耕 『地面師たち』 集英社

愛想をふりまく曾根崎につづいて、他のものが腰を低くしてあらわれた。
―― 第1刷 227頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


五十嵐貴久 『十字路』 双葉社

調子に乗っっただけなんだけど……見なかったふりをしてくれた。
―― 第1刷 6頁
× 乗っった → ○ 乗った

神代小学校の教師が強盗に殺されというニュースだ。
―― 同 43頁
× 殺され → ○ 殺された


五十嵐貴久 『奇跡を蒔くひと』 光文社

沼田市町に連絡して、病院祭に招待したいと伝えてください、と隆太は言った。
―― 初版1刷 208頁
× 沼田市町 → ○ 沼田市長


五十嵐貴久 『能面鬼』 実業之日本社

喧嘩どころか、声を荒げるのも見たことないし……
―― 初版第1刷 161頁
× 荒げる → ○ 荒らげる


五十嵐貴久 『アンサーゲーム』 双葉社

「コングラッチュレーション!」DVDの画像に被さるように、ピエロの声が流れた。
―― 第1刷 22頁
「コングラッチュレーション!」
―― 同 90頁
『コングラッチュレーション☆』
―― 同 191頁
× コングラッチュレーション → ○ コングラッチュレーションズ

一番最初、七月の頭に二人だけで食事をした時、あたしの中であれはデートだった。
―― 同 59頁
グループの中で一番最初に結婚を決め、しかもその相手が会社期待のホープ
―― 同 194頁
× 一番最初 → ○ 最初

とんでもございません、とピエロが顔の前でひらひらと手を振った。
―― 同 67頁
× とんでもございません → ○ とんでもないです

とんでもありません、とピエロが小さく笑った。
―― 同 217頁
× とんでもありません → ○ とんでもないです


五十嵐貴久 『For You』 祥伝社文庫

御社、ジョイ・シネマ誌は、一番最後、四時五十分からということに…
―― 第5刷 155頁
フィル・ウォンのインタビューの順番が一番最後に変えられた、という一方的な通告があったのは、二時間ほど前のことだ。
―― 同 156頁
フィル・ウォンの気まぐれのせいで、一番最後に回されてしまった。
―― 同 246頁
フィル・ウォンのインタビューの順番が一番最後になりそうだ、ということを報告しだ。
―― 同 250頁
フィル・ウォンのインタビューの順番が、一番最後になってしまったことを報告し、
―― 同 254頁
私たちジョイ・シネマに与えられた時間は一番最後、四時五十分から五時までの十分間だった。
―― 同 262頁
一番最後だからそれぐらいは仕方がないだろう、というフィル・ウォンの事務所の譲歩の結果でもある。
―― 同 262頁
やはり一番最後というのが不利な状況であることは間違いなかった。
―― 同 262頁
一番最後である私たちの取材の時間がなくなってしまうという意味ではないか。
―― 同 275頁
インタビューの順番が一番最後に変更されたため、そこまで大きく頁を割くことができない
―― 同 290頁
あたしたちを一番最後にすることはなかったんだもの。
―― 同 479頁
× 一番最後 → ○ 最後

草壁がポテトチップの袋をそのまま投げてよこした。
―― 同 157頁
△ ポテトチップ → ○ ポテトチップス

もともと、一番最初の予定では、巻頭カラーの八頁をフィル・ウォン来日特集の記事にするはずだった。
―― 同 290頁
× 一番最初 → ○ 最初


五十嵐貴久 『コヨーテの翼』 双葉社

コヨーテと少女の順番は、一番最後だった。
―― 第1刷 205頁
× 一番最後 → ○ 最後


五十嵐貴久 『波濤の城』 祥伝社

君が言うように、何かが船底の当たったからといって、それがどうしたというんだ
―― 初版第1刷 100頁
× 船底の当たった → ○ 船底に当たった

その情報を下に、現在のレインボー号の状態をシュミレーションしました。
―― 同 256頁
× シュミレーション → ○ シミュレーション


五十嵐貴久 『スイム!スイム!スイム!』 双葉社

一番最後に新入社員の女の子に電話すると、もしもし、と怯えたような声がした。
―― 第1刷 32頁
レポーターの女の子がオレに近寄ってきたのは、一番最後だった。
―― 同 110頁
× 一番最後 → ○ 一番あと

スタート台の方向からだと、泳いでいる選手の差はわかりくいのだが、間違いなく望は追い上げていた。
―― 同 298頁
× わかりくい → ○ わかりにくい


五十嵐貴久 『炎の塔』 祥伝社

廊下を駆け、一番最初の部屋のドアを蹴飛ばした。
―― 初版第1刷 191頁
× 一番最初 → ○ 一番初め

重複表現なので「一番初め」かもしくは単に「最初」とすべし。


五十嵐貴久 『南青山骨董通り探偵社』 光文社文庫

今の仕事に煮詰まっていた。嫌だとか辛いとかいうのではない。それなら解決の方法もあるだろう。そうではなく、煮詰まっていたのだ。
―― 2刷 31頁
× 煮詰まっていた → ○ 行き詰まっていた


五十嵐貴久 『いつかの少年』 双葉文庫

「じゃあプリンに行かせろ
―― 第1刷 44頁
カギ括弧が閉じられていない。


五十嵐貴久 『1981年のスワンソング』 幻冬舎

結論は出なかった。話し合いは煮詰まり、結局最後は小夜子に任せるということになった。
―― 第1刷 282頁
× 煮詰まり → ○ 行き詰まり


五十嵐貴久 『最後の嘘』 双葉文庫

その子は高校二年年生なんですよね?
―― 第1刷 38頁
× 二年年生 → ○ 二年生


五十嵐貴久 『消えた少女』 双葉文庫

そのためにはこのオッサンでは役不足だ、という結論に達した。
―― 第1刷 117頁
× 役不足 → ○ 力不足

とんでもありません、とは言わなかった。
―― 同 134頁
× とんでもありません → ○ とんでもないです


五十嵐貴之 『ダッシュ!』 ポプラ社

I'm sorry, Idon't know his name.
―― 第2刷 132頁
× Idon't → ○ I don't

ネイティブ外人の科白であるが、スペースが抜けている。


五十嵐貴久 『パパとムスメの7日間』 朝日新聞社

ブラジャーがうっとおしかったが、外すことは厳重に禁じられていた。
―― 第1刷 138頁
× うっとおしかった → ○ うっとうしかった

「お」か「う」か迷いがちだけど「鬱陶しかった」と漢字を当てて考えれば間違い瞭然。


玉岡かおる 『さまよえる神剣』 新潮社

皆はその争いをきかっけに、刀を鎌に打ち直し、山の民として生きることに専心したのか。
―― 初版 221頁
× きかっけ → ○ きっかけ


玉岡かおる 『帆神』 新潮社

番船競争の火ぶたが切って落とされるのは翌日午前だが、午後には早くも切手争いの結果が兵庫津に知らされてきた。
―― 初版 145頁
× 火ぶたが切って落とされる → ○ 火ぶたが切られる

気づいたか気づかないか、松右衛門は、愛想をふりまく弟にだけ頭を下げて、通り過ぎた。
―― 同 296頁
× 愛想をふりまく → ○ 愛嬌をふりまく


玉岡かおる 『姫君の賦』 PHP研究所

花散らしの雨であったに、ここの寺はなおも花が絶えぬようじゃな
―― 第1版第1刷 6頁
× 花散らしの雨 → ○ 桜流しの雨

お熊の方なりに複雑な思いできたのだが、ひとたび初孫を抱けば、喜び以外は雨散霧消した。
―― 同 232頁
× 雨散霧消 → ○ 雲散霧消


玉岡かおる 『ホップ ステップ ホーム!』 実業之日本社

逆に、煮詰まって一行も書けない時はすっぱりあきらめ、三歩でベッドにもどって、少し眠る。
―― 初版 306頁
× 煮詰まって

誤用。考えが煮詰まってる状態ならすらすら書けるはず。


玉岡かおる 『銀のみち一条(上巻)』 新潮社

群衆は、安全な場所で腕組みをしながら、その火が大きいければいっそうおもしろかろうと目を輝かせる。
―― 初版 127頁
× 大きいければ → ○ 大きければ


玉岡かおる 『蒼のなかに』 角川書店

自分には、受胎の福音を告げる大天使ラファエルは現れてはくれない。
―― 初版 43頁
大天使ラファエルならぬ、ガンセンターの婦人科主治医の先生の言葉。
―― 同 69頁
× ラファエル → ○ ガブリエル

受胎告知した大天使はラファエルではなくガブリエルだ。ストーリーのキモになってる部分ゆえ、これは非常に大きなミスだ。あまりに大きなミスゆえ、指摘してるわたしのほうが間違ってるのじゃないかと不安になるぐらい大きいミス。


二間瀬敏史 『基礎から学ぶ 宇宙の科学』 講談社

文系、理系に限らず大学初年度の教科書として使用できる天文学の新たな入門署は有意義であると思われる。
―― 第1刷 まえがき
× 入門署 → ○ 入門書


佐藤究 『幽玄F』 河出書房新社

乗りもしないプロペラ機を格納庫で延々とみがいているよりは、外に出たほう気が晴れるかもしれない
―― 初版 139頁
× 外に出たほう → ○ 外に出たほうが


葉真中顕 『そして、海の泡になる』 朝日新聞出版

一審大阪地裁は求刑通り無期懲役を言い渡し、被告側は上告せずそのまま判決が確定していた。
―― 第1刷 11頁
× 上告 → ○ 控訴


中山七里 『総理にされた男』 宝島社文庫

「はい!」3
―― 第1刷 310頁
× 3

物凄い衍字だ。


中山七里 『さよならドビュッシー』 宝島社文庫

火傷が死に到る原因は熱傷によるショックと皮膚呼吸が不可能になることだ。
―― 第21刷 66頁
× 皮膚呼吸

人間は皮膚呼吸なんてしていない。

それを肝に命じておくように
―― 同 160頁
× 肝に命じて → ○ 肝に銘じて

五月連休の一日目は雨で始まった。昨夜半からぽつりぽつり降り出した小雨は、昼になると五月雨の名前そのままにいつやむとも知れぬ灰色のカーテンを下ろしていた。
―― 同 166頁
× 五月雨

「五月雨」は陰暦の5月(新暦だと5月下旬以降)に降る雨。


中山七里 『追憶の夜想曲』 講談社

アパートの間取りは台所と居間、そして居室が二部屋の3LDKだが、居室はいずれも六畳程度しかないからさほど広くはない。
―― 第1刷 163頁
× 3LDK → ○ 2LDK


中山七里 『贖罪の奏鳴曲』 講談社文庫

最近では敷居の高い印象を払拭しようと草木の名前や横文字を冠する事務所も増えてきたが、自分の一生事を託しにくる客が事務所名の洒落っ気や親近感を気にするはずもないだろうと思っているからだ。
―― 第1刷 17頁
× 敷居の高い → ○ ハードルの高い

相手の足元をすくう立場になると、この思考法は有効な場合が多かった。
―― 同 296頁
× 足元をすくう → ○ 足をすくう


植松三十里 『富山売薬薩摩組』 H&I

買わない相手にも愛想を振りまくのが、大坂商人だ。
―― 初版第1刷 30頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


植松三十里 『羊子と玲』 河出書房新社

でっかい図体して、ブスッとして、うっとおしいてたまらんで。
―― 初版 58頁
× うっとおしい → ○ うっとうしい

だが、その後も絵が煮詰まるたびに、玲はアパートで大暴れを繰り返すようになった。
―― 同 90頁
× 煮詰まる → ○ 行き詰まる

しかし、ここは独立した店舗だし、斬新すぎて敷居が高いらしい。
―― 同 158頁
× 敷居が高い → ○ ハードルが高い


植松三十里 『梅と水仙』 PHP研究所

コングラチュレーションと言おうと思うのに、口から出た言葉は、まったく別のものだった。
―― 第1版第1刷 176頁
× コングラチュレーション → ○ コングラチュレーションズ


植松三十里 『帝国ホテル建築物語』 PHP研究所

林愛作はライトの意向を役人に伝えた。
―― 第1版第1刷 146頁
× 林愛作 → ○ 遠藤新

またたく間に三が日は過ぎていき、四日の朝のことだった。
―― 同 205頁
三ヶ日が過ぎるのを待ちかねて、はや四日には重役会が開かれた。
―― 同 257頁
「三が日」か「三ヶ日」か、表記が統一されていない。


植松三十里 『不抜の剣』 H&I

弥九郎はは内田たちと連絡を取り合いながら、海岸調査の準備を進めた。
―― 初版第1刷 123頁
× 弥九郎はは → ○ 弥九郎は


植松三十里 『唐人さんがやって来る』 中央公論新社

それが周囲に愛想を振りまきつつ、研三郎を引っ張る。
―― 初版 38頁
× 愛想を振りまき → ○ 愛嬌を振りまき


植松三十里 『北の五稜星』 角川書店

浦賀に本格的な造船所を造りたければ、おまえは黒子に徹しろ。
―― 初版 244頁
ただし建立者は、あくまでも熊吉とし、星たちは黒子に徹した。
―― 同 246頁
× 黒子 → ○ 黒衣

ホクロに徹するとはどういう意味じゃらほい。


植松三十里 『お龍』 新人物往来社

表階段を登りきると板の間の廊下があり、それ囲むようにして、座敷と押し入れが配置されている。
―― 第1刷 72頁
× それ囲む → ○ それを囲む

大山は飛び起きると、藩邸内にいた藩士全員をたたき起こした。そして槍と提灯を揃えて、檄を飛ばした。
―― 同 81頁
× 檄を飛ばした

誤用。

お龍は文がはさまっていた手帳を、もうちど開いた。
―― 同 137頁
× もうちど → ○ もういちど


植松三十里 『達成の人 二宮金次郎早春録』 中央公論新社

そして高熱でうなされながらも、金次郎を手招きして言った。
―― 初版 80頁
× 高熱でうなされ → ○ 高熱で浮かされ


植松三十里 『群青 日本海軍の礎を築いた男』 文藝春秋

永持は外国奉行支配組頭を経て京都表御用となり、以来、慶喜の側近として、外交関係の黒子役をつとめていた。
―― 第1刷 217頁
× 黒子役 → ○ 黒衣役

熱にうなされて、いろいろな夢を見た。
―― 同 301頁
× 熱にうなされ → ○ 熱に浮かされ

津波のような大波が押し寄せて、目の前に迫り来る。
―― 同 301頁
× 津波のような大波

「津波」は波の大きさを意味する言葉じゃない。津波はたった1cmでも津波。

不肖、佐々倉松太郎、御家の汚名挽回の夢を抱き、蝦夷地に渡りましたが、力及ばす
―― 同 336頁
× 汚名挽回 → ○ 汚名返上

汚名を挽回しちゃいけません。


劉慈欣 『白亜紀往事』 早川書房

恐竜世界のあちこちに消防の監視システムと自動消化器が設置されているし、火災は煙草の火ほどにもならないうちに消火されるからな。
―― 初版 127頁
× 自動消化器 → ○ 自動消火器


川端裕人 『ドードー鳥と孤独鳥』 国書刊行会

ウェブサイトを隅々まで確認していたら、スタップの紹介ページで、気になるものを見つけた。
―― 初版第1刷 116頁
× スタップ → ○ スタッフ

だから今も、父の本を書架の目立つとところに置いている、と。
―― 同 155頁
× とところ → ○ ところ


川端裕人 『青い海の宇宙港 春夏篇』 早川書房

8 真夏のロケット
―― 初版 205頁
8 里帰り
―― 同 247頁
8章が2回ある。


川端裕人 『クジラを捕って、考えた』 PARCO出版

イギリス人のマークはこの状態を見て「まるで軍隊みたいデス」と評したが、それも案外的を得ているかも知れない。
―― 第1版 47頁
× 的を得ている → ○ 的を射ている

カルチャーショクに満ちた一日は終わりに近づき、ちょうど13頭目を捕った第一京丸が、母船に最後のクジラを渡しにやって来たのを見るためだった。
―― 同 58頁
× カルチャーショク → ○ カルチャーショック

前を通りかかったら入口近くで佐々木君が漫画を読んでいた。よりによってグルメ漫画『美味しんぼう』だ。
―― 同 150頁
× 美味しんぼう → ○ 美味しんぼ


川端裕人 『せちやん』 講談社

野球部の練習が終わって家に帰ると、ぼくはスロットマシーンやら、ダイスゲームの小さなプログラムをアセンブラ言語で組んでは悦に入った。
―― 第1刷 65頁
× アセンブラ言語 → ○ アセンブリ言語

ぼくは爆笑した。クボキもつられて笑った。
―― 同 89頁
× 爆笑

だから彼女たちが去ったことは、まるで足元をすくわれたようだった。
―― 同 129頁
× 足元をすくわれた → ○ 足をすくわれた


小松英一郎・川端裕人 『宇宙の始まり、そして終わり』 日経プレミアシリーズ

この結果を見た時のあまりの衝撃から熱を出しまして、冷えピタを張って過ごしてました。
―― 2刷 77頁
× 張って → ○ 貼って


安部若菜 『アイドル失格』 KADOKAWA

レッスン中、珍しくポニーテールをして、気合いを入れた萌が声を荒げる。
―― 初版 78頁
思わず声を荒げてしまう。
―― 同 187頁
× 荒げ → ○ 荒らげ

私の順番は、一番最後だ。
―― 同 83頁
私は一番最後にのろのろと車を降りた。
―― 同 98頁
× 一番最後 → ○ 最後

ふと、母が付けたままのテレビに意識が向く。
―― 同 125頁
× 付けたままのテレビ → ○ 点けたままのテレビ


劇団ひとり 『浅草ルンタッタ』 幻冬舎

全身黒ずくめの黒子が釣り竿のようなもので吊るした蝶を女学生が指さすと
―― 第1刷 106頁
× 黒子 → ○ 黒衣

なにか少しでもいい、思い当たることがあった教えてくれ
―― 同 130頁
× あった教えて → ○ あったら教えて


佐藤友哉 『青春とシリアルキラー』 集英社

僕はゲラゲラ爆笑した。
―― 第1刷 10頁
僕は死ぬほどゲラゲラ爆笑しながら、「これで行きましょう!」と快諾した。
―― 同 35頁
僕は爆笑して、「いいっすね!そのまま最後まで行っちゃいましょう!」と叫んだ。
―― 同 59頁
もし阿南さんとリモートで話したりすれば、爆笑をこられきれないだろう。
―― 同 122頁
× 爆笑 → ○ 大笑


佐藤友哉 『1000の小説とバックベアード』 新潮社

未来からきた黒子のような暗黒が立っている。
―― 初版 145頁
× 黒子 → ○ 黒衣

その前の文章に「黒い衣類を着て、黒い手袋をはめ・・・」とあるから、著者は黒子(ほくろ)じゃなく黒衣(くろご)のことを言ってると思われる。

「だったら」配川ゆかりは声を荒げた。
―― 同 199頁
× 荒げた → ○ 荒らげた


佐伯一麦 『Nさんの机で』 田畑書店

私が、仕事机の上に電鍵を置いているのは、そのことを肝に命じるためでもある。
―― 初版 49頁
× 肝に命じる → ○ 肝に銘じる

必死に頭を叩き付けるようにしてモースル信号を送るシーンがあった。
―― 同 50頁
× モースル信号 → ○ モールス信号


佐伯一麦 『麦の日記帖』 プレスアート

枕元のiPodnanoに入れてあるブラームスの交響曲4番は、演奏時間が四十分余りなので、その演奏中はじっとして汗が出てくるのをひたすら待つ。
―― 第1刷 130頁
× iPodnano → ○ iPod nano

午後、写真家の相田昭さんが、大きなジェラルミンのカメラケースを肩に提げてやってくる。
―― 同 144頁
× ジェラルミン → ○ ジュラルミン


佐伯一麦 『渡良瀬』 岩波書店

秋分の日とあって、高校生たちの姿はなく、バスの車内はガラガラだった。
―― 第1刷 61頁
タッパーウエアの中身は、餡こをまぶした牡丹餅だけがぎっしりと詰められてあった。
―― 同 84頁
△ 牡丹餅 → ○ お萩

春の彼岸に食べるのが牡丹餅で、秋の彼岸に食べるのはお萩である。ただし牡丹餅とお萩の違いは地方で諸説あるようだ。

プリント基盤配線用のW数が小さなハンダ鏝の鋭く尖った鏝先を通して、錫と亜鉛の混じったハンダが融けた柔らかな手応えが伝わってくるのを感じた。
―― 同 73頁
扉の裏側の細密なプリント基盤が取り付けられている所に、その形状から「弁当箱」と呼ばれている金属カバーを取り付け、さらにその上から新聞紙で覆って紙テープでとめ養生した。
―― 同 113頁
× プリント基盤 → ○ プリント基板

うまく嵌まり、空気を入れる所のナットを六角スパナでしっかり締め付けると、拓は「ようし」と満足そうな声を上げた。
―― 同 104頁
× 六角スパナでしっかり締め付ける

自転車パンク修理のシーンであるが、リムナットを工具で固く締める行為は、バルブを痛めるので絶対に駄目。指で回してとめればOK。


佐伯一麦 『散歩歳時記』 日本経済新聞社

書物とひとときの涼を求めて、街の図書館ことこの喫茶店の客となっている。
―― 第1刷 83頁
× 図書館ことこの → ○ 図書館とこの


柞刈湯葉 『人間たちの話』 ハヤカワ文庫

黒子に徹するスタッフは仮面を被るという規定がある。
―― 初版 72頁
× 黒子 → ○ 黒衣

岩のない部屋に岩が出現したことに比べれば、その岩が1メートやそこら移動するのは驚くような事ではないはずだ。
―― 同 211頁
× 1メート → ○ 1メートル


J・G・バラード 『女たちのやさしさ』 岩波書店

この人当たりはいいがインスピレーションとは無縁の退屈な連中なのだ考えて、このときすでに気が滅入っていた。
―― 第1刷 81頁
× なのだ考えて → ○ なのだと考えて


伊与原新 『オオルリ流星群』 KADOKAWA

ほら、この辺の若者はみんな、免許取ったらとりあず行くじゃん
―― 初版 69頁
× とりあず → ○ とりあえず


三浦しをん 『風が強く吹いている』 新潮文庫

だれにでも愛想を振りまいちゃうバカ犬だけど、かわいいんだよ
―― 30刷 47頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


河ア秋子 『絞め殺しの樹』 小学館

額を畳に打ち付ける鈍い音がした。(略)他人の、しかも壮年の男性がこんな風に土下座をするところを初めて目にした。
―― 初版第1刷 80頁
そんな生活の中、雄介は一度、父に土下座したことがある。(略)床に額を擦りつけて頼んだのだ。
―― 同 291頁
× 土下座

屋外の地面で頭を下げねば「土下座」じゃない。


河ア秋子 『肉弾』 KADOKAWA

火ぃ起こせるような場所作んねえと。
―― 初版 313頁
先ほど取り逃がした人間が独り、火を熾してその傍らに座りこんでいる。
―― 同 158頁
火を「起こす」か「熾す」か統一されてない。

犬達はゴフゴフと息を荒げ、なおも鹿に食い付いている。
―― 同 197頁
キミヤは声を荒げた。
―― 同 221頁
思わずキミヤが声を荒げた時には、白黒の体は手近な木の幹に激突していた。
―― 同 226頁
キミヤは声を荒げた。
―― 同 249頁
× 荒げ → ○ 荒らげ


櫛木理宇 『ぬるくゆるやかに流れる黒い川』 双葉文庫

気づけいたときは、香那は喉から言葉を押しだしていた。
―― 第1刷 56頁
× 気づけいた → ○ 気づいた

ミチさん、この封書は俺の胸先三寸じゃおさめられません。
―― 同 253頁
× 胸先三寸 → ○ 胸三寸


櫛木理宇 『虎を追う』 光文社

ネットで「今月だけで七十万課金した」、「半年で三百万いった」と課金額をなかば自慢、なかば自虐で書きこむ人たちを見るたび、きつく自戒した。
―― 初版1刷 46頁
× 課金した → ○ 課金された

物覚えは悪いし、へまばっかりしよるし、客に愛想ふりまくこともでけへん。
―― 同 197頁
× 愛想 → ○ 愛嬌


櫛木理宇 『虜囚の犬』 KADOKAWA

養ってもらってるんだから、愛想くらい振りまいたらどう
―― 初版 100頁
× 愛想 → ○ 愛嬌

中国で起こった地震への募金を呼びかけている。
―― 同 289頁
× 募金 → ○ 寄付


櫛木理宇 『僕とモナミと、春に会う』 幻冬舎文庫

よしセカンドオピニオンならぬサードオピニオンだ、と翼は三軒目の医院へ飛び込んだ。
―― 初版 14頁
× セカンドオピニオン → ○ ドクターショッピング

セカンドオピニオンは主治医以外の意見を聞くことであり、単に医療機関を変える行為とは違う。

間髪(かんぱつ)を容れず答えがあった。
―― 同 25頁
× かんぱつ → ○ かんはつ


櫛木理宇 『世界が赫に染まる日に』 光文社

いまだにXPを使っているのと、ウイルスソフトを複数インストールしているせいで起動にすこしばかり時間がかかる。
―― 初版1刷 43頁
× ウイルスソフト → ○ アンチウイルスソフト

やられたら、やりかえされる。
―― 同 196頁
やられたら、やりかえされる。かんたんなセオリーじゃないか。
―― 同 241頁
× やられたら、やりかえされる

「やったら、やりかえされる」もしくは「やられたら、やりかえす」にしないと意味同じじゃねえか。


熊谷達也 『我は景祐』 新潮社

呆然自失に見える矢吹の住民たちも、腹の底では仙台兵は腰抜けだと憤り、さらには、嘲笑っているに違いなかった。
―― 初版 300頁
× 呆然自失 → ○ 茫然自失


熊谷達也 『エスケープ・トレイン』 光文社

小林さんが自分のアパートでローラーに乗っている時にたまたま転倒して、せっかく固定した鎖骨がさらに複雑骨折なんかして、その結果、再起不能なんてことになったとしたら
―― 初版第1刷 135頁
× 複雑骨折 → ○ 複合骨折

「複雑骨折」とは骨が複雑に折れることではないのだ。

俺じゃあ、最初から最後まで集団をコントロールするのって、明らかに役不足っす
―― 同 233頁
× 役不足 → ○ 力不足


熊谷達也 『揺らぐ街』 光文社

黒子でしかないはずの編集者ではあるものの、特にそうした周囲からの評価は、本人にあらぬ錯覚を抱かせる。
―― 初版1刷 92頁
× 黒子 → ○ 黒衣

小さな商店街を通過して突き当たったT字路の先に仮設住宅はあった。
―― 同 115頁
× T字路 → ○ 丁字路


熊谷達也 『潮の音、空の青、海の詩』 NHK出版

自分の父母の遺体が見元不明者として安置されていないかどうか、確認して回るしかなかった。
―― 第1刷 183頁
× 見元不明者 → ○ 身元不明者


熊谷達也 『バイバイ・フォギーデイ』 講談社

このまま議論していても煮詰まる一方で疲れるだけだ、と誰もが感じていたみたいで、もっと続けよう、と主張するメンバーはひとりもいなかった。
―― 第1刷 81頁
× 煮詰まる → ○ 行き詰まる

「議論が煮詰まる」は結論が出る意味だから、良いことなのだが。


熊谷達也 『迎え火の山』 講談社文庫

そんなことをしているなどとはひと言も口にしなかった親父が、今は病院のベッドで原因不明の高熱にうなされている。
―― 第1刷 208頁
× 高熱にうなされ → ○ 高熱に浮かされ

インフルエンザにしては時期外れですからね
―― 同 224頁
△ 時期外れ → ○ 時季外れ


熊谷達也 『稲穂の海』 文藝春秋

まだ明るいうちにバーベキューをしようということになって、稔が火を起こし始めた。
―― 第1刷 218頁
× 火を起こし → ○ 火を熾し


熊谷達也 『オヤジ・エイジ・ロックンロール』 実業之日本社

せっかくレス・ポールをお求めになるんですから、あとで後悔しないように、じっくり時間をかけて選んだほうが絶対にいいです。
―― 初版第1刷 25頁
どうしようかと迷っているうちに三日間の連休が終わっていたのでは、あとで絶対に後悔するに決まっている。
―― 同 252頁
× あとで後悔 → ○ 後悔

「あとで後悔」は重複表現。単に「後悔」か、「あとで悔やむ」とするべき。とはいえ、大人げなく指摘せにゃならんほどの誤りでもないと思う(笑)。

どこが、というと、いずれの曲も詩が素人っぽい。
せっかくいい曲なのに、詩がこのままでは、とてもじゃないが沙織には歌わせられない。
―― 同 239頁
実際、当時のハードロック系のバンドの詩は、翻訳を読むと、成田の詩と五十歩百歩だったりする。
―― 同 241頁
× 詩 → ○ 詞

以下、「詞」を「詩」と表記している箇所が余りに多いので、省略。

翌年発表されたアルバムが『紫の炎』であるが、(中略)このアルバムの原題は『Bum』である
―― 同 367頁
× Bum → ○ Burn

ロック野郎だった作者がディープ・パープルの名盤タイトルを間違えるはずがないから、活字を拾った職工さんがミスったと思われる。「rn」は一瞬「m」に見えるものね。

ギターの指版の最もヘッド側(ネックの先端のほう)にあるパーツ。
―― 同 368頁
その長さを区切るためにギターの指版に埋め込まれた金属。
―― 同 370頁
× 指版 → ○ 指板


土橋章宏 『大名火消し ケンカ十番勝負!』 ハルキ文庫

それが一番最初に学んだことだった。
―― 第1刷 40頁
× 一番最初 → ○ 最初

身内を助けるのが一番最後って掟だ
―― 同 321頁
× 一番最後 → ○ 最後


土橋章宏 『スマイリング!』 中央公論新社

洋平が爆笑した。
―― 初版 123頁
× 爆笑


土橋章宏 『ライツ・オン!』 筑摩書房

リチャードは声を荒げた。
―― 初版第1刷 135頁
リチャードは思わず声を荒げた。
―― 同 228頁
× 荒げた → ○ 荒らげた


朱川湊人 『アンドロメダの猫』 双葉社

場合によっては、保証人も求められるかもしれない。それはさすがに、まだ敷居が高い。
―― 第1刷 161頁
× 敷居が高い → ○ 難易度が高い


朱川湊人 『幸せのプチ』 日本経済新聞出版社

さっきまで爆笑していた彼から一切の表情が消え去り、それこそ紙のような顔色になっていた。
―― 第1刷 94頁
× 爆笑 → ○ 大笑

何せプチは誰かれナシに愛想を振りまく。
―― 同 107頁
× 愛想を振りまく → ○ 愛嬌を振りまく

今や押しも押されぬ大女優になった小野村柊子ということになるのだろうが、実物を見たことがないので、何とも言えない。
―― 同 343頁
× 押しも押されぬ → ○ 押しも押されもせぬ


朱川湊人 『今日からは、愛のひと』 光文社

俺は爆笑したが、奥山はマジメな顔で答えたものだ。
―― 初版1刷 208頁
× 爆笑 → ○ 大笑


朱川湊人 『なごり歌』 新潮社

熱にうなされて、あの子の頭が混乱しただけよ
―― 初版 126頁
× 熱にうなされ → ○ 熱に浮かされ


朱川湊人 『満月ケチャップライス』 講談社

『女心と秋の空』というのは、変わりやすいものの代表選手らしいが、冬の空だって負けてはいないと思う。
―― 第1刷 41頁
× 女心と秋の空 → ○ 男心と秋の空

マンガそのままの展開に爆笑したくなったけれど、僕は鼻から息を逃がして笑いを抑えた。
―― 同 196頁
× 爆笑


朱川湊人 『遊星ハグルマ装置』 日本経済新聞出版社

ゼスチャーでコミニュケーションを取るヒマもない。
―― 第1刷 271頁
× コミニュケーション → ○ コミュニケーション


朱川湊人 『鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様』 集英社

世には美しい女性が綺羅星(きらぼし)の如く存在するのに、何も好んで衆道に走らずとも良いように思える。
―― 第1刷 168頁
× きらぼしの如く → ○ きらほしの如く

なんでわざわざ「きらぼし」なんて間違った振り仮名を付けるかな集英社。


朱川湊人 『さよならの空』 角川書店

そんなどうでもいい知識が口をついて出ようとするのを、テレサはあわやのところで噛(かみ)み潰した。
―― 初版 13頁
× 噛(かみ)み → ○ 噛()み

ルビの「み」が一文字余計。

精密機械やプリントの基盤の洗浄剤
―― 同 27頁
× 基盤 → ○ 基板

「基盤(base)」と「基板(circuit board)」の意味は違うことを、多くの編集者は識らぬようだ。これだから文系人間はっ(笑)。

それは昨日も、お断りしたと思うですが
―― 同 65頁
× 思うですが → ○ 思うのですが

みんなは顔を見合わせて、首を捻(にね)った。
―― 同 116頁
× 捻(にね)った → ○ 捻(ひね)った

ルビ間違い。朱川湊人の本は誤記が多いなあ。


朱川湊人 『花まんま』 文藝春秋

まったく記憶にはないが、高熱にうなされていた私の心は、その時に戻っていたのだろうか。
―― 第1刷 22頁
× 高熱にうなされ → ○ 高熱に浮かされ

おばさんが亡くなったのは、奇しくもある年の元旦です。その日の朝まで話もできるほどだったのに、急変したのです。
―― 同 216頁
× 元旦 → ○ 元日

元旦は一月一日の朝のこと。「その日の朝まで話もでき」たなら、死んだのは元旦じゃないやん。

私は炎天下の中を、サンダル履きでマサヒロの家に向かった。
―― 同 235頁
× 炎天下の中を → ○ 炎天の中を

「炎天下の中」じゃ重複表現ずら。




まだ続きます